夢音

2010年6月23日水曜日 0:24

  薩摩焼酎は、言わずと知れた芋焼酎。鹿児島には、100軒を越す焼酎蔵があるという。やや曖昧な情報ながら、最盛期には200軒近かったとも聞く。その中で、とても小さな丸西酒造が大隈半島の付け根部分に在る。昔ながらの甕仕込みは、明治末期の創業当時から変わらず受け継いできた伝統の製法だ。だから、西郷さんが飲んでいた頃の焼酎味とほとんど同じかも知れん。
 この蔵の焼酎に俳句仲間の俳号"夢音"を、そのまま銘柄名としたボトルが発売され始めた。無論、名付けたのは僕。さて、このクラシカルな味の芋焼酎。如何なる飲み方でやろう。普通、鹿児島ではお湯割りにして飲む。あるいは水割り、オンザロックとなる。ウィスキー同様、生で飲む習慣は稀だった。

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 焼酎を飲むたびに、知り合いの蔵元の「西南戦争当時、桶へ入れて置いた焼酎で傷の手当をした」との話が思い出される。それは、子供らの擦り傷などの手当で、昭和になっても利用されていたらしい。なにやら西部劇映画で観た、弾傷にウィスキーを口から吹きかけるアルコール消毒のシーンと重なる。なにせ、我々がスピリッツと呼ぶ蒸留酒としては同種の酒。クイっとあおって喉にカーっとくるヤツで、フルーティーや旨味とは無縁のシロモノだった。
 ひとまず僕は、この芋焼酎25度の"夢音"6対、水4の割合で混ぜ、それへカチ割り氷を浮かべて飲むことにしている。南国生まれのスピリッツが、透明で涼しげな趣を添えられるだろう。芋の葉にコロリンとたまった朝露を含む心地がし、喉もとで熱く弾ける。ツマミは、塩分少なめの生ハム、または甘タレ醤油で喰う熊本の馬刺しかな。
 カチ割り氷とクリスタル・グラスがスウィングして夢音を奏でる。ちょっと聞いてみようじゃあないか・・。

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<お知らせ>

「7月11日(日曜日)、吉田類と土佐流ドリンク・ラリーで、札幌の夜にカンパ~イしよう!!」 
 当日のイベント・講演会&トークセッションの会場(共済ホール)にて、参加メンバーの中から希望者を募ります。入場の際に、お申し出下さい。
 酒場巡りは、札幌駅近くの狸小路あたりから午後6時スタートの予定です。一軒に長居しないのが土佐流ドリンク・ラリーの基本ながら、そこは参加人数により臨機応変で進行します。飲食代は実費で、疲れたら自由解散となります。
 さて吉田類と一緒に、何軒巡れるでしょう。

 このイベントに"夢音"を持参し、7月11日の酒場ツアー「土佐流ドリンク・ラリー」の一軒目で、試飲していただきたく思っています。それまでにカクテル・ベースの相棒となるドリンクも探す予定です。
 因みに、トークセッションのゲストは、ホッピー・ミーナことホッピービバレッジ社長・石渡美奈さん。雑誌『古典酒場』の豪快な酒飲み編集長・倉嶋紀和子さん。それと30年来の酒友で先輩のエッセイスト・坂崎重盛さんは、THE ALFEEのメンバー・坂崎幸之助のオジサンでもあります。
 なんともユニークで酒場文化の最前線に身を置く方々がゲストとあらば、飲まなくたって酔えそうじゃあありませんか・・。


イベントのお問い合わせ
有限会社風の色
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