俳句会「舟」新潟吟行

2010年5月8日土曜日 18:16

 第二回目となる菊水酒造日本酒文化研究所にての俳句会「舟」新潟吟行の報告からです。会場のある新発田市は、まだ春が行きつ戻りつの状態でした。日本海側からの雲は低く垂れ込め、残雪の飯豊連峰を源とする加治川の川風に庭園の土筆たちが震えていた。例によって一句。


 雲低く土筆震へし酒肆の庭   (類)


 と、見たままの写生句です。


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 地元参加者の一人、日本酒文化研究所の肥田野さんの句も、当日の時候などを詠み込んで"花の雨""冴え返る"の季語が使われていました。桜は満開なのに雨続きだったのです。


 花の雨彼岸の君を天に見て   (由美)


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また、子供連れ参加者も居たことから、こんな句がありました。


 背伸びする子らたくましくつくし組   (茜)


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 吟行のもう一つの楽しみは、江戸時代の料理を再現した花見の宴です。元禄時代の酒の味だって「節五郎・元禄酒」(純米酒)に再現しています。これを、挨拶句として巧みに詠んだ俳句会初参加の方がいらっしゃいました。


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 元禄と酔うて交わる花見酒     (夢音)


 「時代を超えて交わるなんてシュールね」などと好評の句。初心者ながら"夢音"の俳号をゲットしました。


 そうそう、この花見酒には高澤大介社長、蔵人を初め、偶然立ち寄った海上自衛隊の一行とも合流しました。旨い酒と江戸の花見料理が取り持てば、官と民の隔たりなどありません。まるで、我が郷里の伝統的酒宴"土佐のおきゃく"のノリ。酔うほどに"無礼講"となりました。


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 そして、僕はいさぎよく新発田で撃沈。それでも翌朝は近くの温泉で朝風呂に入り、一休みした後、二王子岳(におうじだけ)を望みながら月岡温泉へ......。


 新芽よけ外股でゆく二王子岳    (美泉)


 と、詠んだ地元・中山由美子夫妻のご厚意に甘えさせて頂きました。


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ところで、菊水の"ふなぐち一番しぼり"缶には、こんなラベルもあるんですね。マニアにとったら、よだれが出そうでしょう......。


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ラベル: