2009年を振り返りながら新年のご挨拶

2010年1月1日金曜日 0:20

2009年を振り返ってみれば、のんびりペースの僕には、幾分目まぐるしいスケジュールでした。「酒王」ブログでは、その一端しか報告できなかったのが心残りです。そこで、ダイジェスト風にフォト・アルバムを披露させて下さい。


まず、本州以南に生息するハンミョウ(道教え)という昆虫のカットです。写真1 松山で撮影。


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写真2 神田川の蝶。表、裏。


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そして、僕がファーブルの丘と呼んで散策している里山のコースからです。

写真3は外来種の蝶「アカボシゴマダラ」⇒写真4⇒写真5ここJR南武線沿線の多摩丘陵地帯は、東京近郊きっての昆虫の宝庫です。


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トンボやカミキリ虫など種類の豊富な高知県で育った僕は、子供のころから昆虫が好きだった。その虫たちの魔法のような色彩を思い出させてくれたのが、2008年に訪れた高知県の牧野植物園でのことだ。特定の花のために毎年、大陸から海峡を渡ってくる蝶は、まるでアブストラクト絵画を纏うかのようだった。


また、生き物たちの風貌も様々。生態が分からないゴミ虫。写真6。たぶんゴミ虫の仲間と思われるが、幼虫か成虫かも謎。写真7。長すぎてスミマセン。写真8こんなシマヘビの他、ヤマカガシみたいな派手な色の蛇もいる。


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酒場巡りは大阪へ。写真9 大阪の「天満酒蔵」にて⇒写真10 立ち飲み屋にて。


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京都は祇園へ。写真11。写真12 老舗の金平糖屋さん「緑寿庵清水」の四代目・清水誠一さんと。


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 九州は、麦焼酎発祥の島・壱岐の取材に行った。その折、雑誌・福岡ウォーカー(角川)の忘年会を兼ねた川柳大会が開催された。作家・片山恭一さんと僕が選者でした。写真13。


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忘年会の余興も凝っていた。秋吉健太編集長率いるEXILE(エグザイル)ばりのダンス・チームのパフォーマンスや、クロスFM放送で活躍するDJのトギーさんも駆けつけて盛り上げる。トギーさんの番組には僕もお邪魔した。九州での詳細は、雑誌・長崎ウォーカー(特別版)にて報告します。


北海道へは、小樽吟行のすぐ後に「吉田類の酒場放浪記」ロケでお邪魔しました。東京から、強風で名高い稚内空港へ恐怖の着陸。ロケ地への移動が、またまた怖いボンバル・プロペラ機だった。写真14。このロケは、1月1日、11:00~よりのお正月特番でオン・エアしました。御覧いただけたなら、幸いです。


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忌野清志郎さんへの追悼句

「初夏に逝く ロックスターの アイシャドウ」を詠んだ、俳号・露骨こと坂崎重盛さんが、平凡社から著書『神保町「二階世界」巡り』を出版。ツカが35ミリとぶ厚い。写真15。


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仕方ない事ですが、訃報も多々ありました。鹿児島から戻って、東京の雑踏に紛れた途端。知人の死を携帯の着信で知った。

「雑踏に 訃報着信 空っ風」(類)

 暮れに、朝日新聞の小泉信一記者から、氏の著書『おーい、寅さん』(朝日新聞出版)を新宿の「ばるぼら屋」の二階で、一杯やりながら受け取った。写真16。


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ちょうどその時、毎日新聞の記者、「サンデー毎日」、「毎日グラフ」編集等を経験なさった森英介さんの身内の方から連絡があった。小泉さんは一瞬涙ぐんでから、「類さん。森英介さんが亡くなった」と告げた。享年70歳、膵臓ガンという。後日、毎日新聞の鈴木琢磨記者も、追悼文を自分のコラムに寄せている。僕には短いお付合いだったが、共通の恩人ということになる。


俳句専門誌『俳句・あるふぁ』(毎日新聞社)で担当なさっておられた「俳句ちょっといい話」というコーナーにおいて、僕へのインタビュー当日。内幸町にある日本プレスセンター9階のサロンで、止められていたはずの酒などをお付合い頂いたのが2月26日だった。あれから10ヶ月足らずで永久の眠りにつかれたのだ。森英介さんの著『風天・渥美清のうた』の書評を北海道新聞に書かせて頂いたご縁があり、遠からずお目にかかれるものとばかり思っていた。


さらに、森さんの時世とも言える一句に衝撃を受けた。

「がんばれと いわれてもなあ 鰯雲」森英介。どこか寅さんの俳句と似たペーソスと温もりがある。将来、鰯雲を見るチャンスがあれば、必ず思い出して復唱する句だ。でも、澄んだ青空へリズミカルに並んだ鰯雲の眺めは、決して悲しいだけじゃあないだろう。

「かろやかな 祈りでありし 鰯雲」(類)。ご冥福をお祈りいたします。


差し迫った大晦日に、竹書房発行のコミック誌『居酒屋・のんべえ』が届いた。写真17。多彩な執筆陣もさることながら、ゆる~い蘊蓄話も満載。定価500円で各駅停車の旅も、リッチな気分になること請け合いだ。小平カメラマンの写真も、相変わらず冴えています。


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本年も、僕たちは命の限り・・。いや、無理の無いよう健康酒を飲みまくります。もし、何処かのカウンターでお会い出来れば、心に乾杯のアイ・コンタクトを交わしましょう。


今年は、東急セミナーBE渋谷にて、「吉田類の詩的表現力」と題する講座を開く事になりました。1~3月の第4土曜日、17:00~19:00。(1/30 豊かな表現力を活力源に。 2/27,言語表現の技術について。 3/27, 総まとめとして。)


酒蔵よりの後援予定もありますので、例年どおり軽く飲みながらの講座となるでしょう。

東急セミナーBE 問い合わせ先 03-3477-6277 http://www.tokyu-be.jp/