清流こそ命の源

2009年7月1日水曜日 18:56

 先だって、「水と命と酒と」というテーマで講演する機会を頂きました。場所は高知県の県民文化ホール。全国治水大会の高知大会におけるイベントの一環でした。高知県の仁淀川上流部で育った我が身にとって、"清流こそ命の源"の感が沁みついております。緑の脊梁山脈を持つ日本列島とは言え、すでに地球規模での環境破壊が進む昨今。水と緑の保護が、一地域の問題ではありません。高知県にも、水質悪化で酒造りをあきらめた酒蔵さえあり、愛媛県では渇水問題を抱えています。


 ただ、温暖化を防ぐCO2の削減、大気汚染等々の環境問題には、理論上、「水と緑を快復させる科学技術の応用」という明解な答えの一つが出ています。それを環境ビジネスや、観光ビジネスも兼ねた故郷再生の舞台で実践している人々は、知れば知るほど多い。そのほとんどの成功例に、古来より自然との共生術に長けた日本人の知恵が活かされています。自然環境の巧みな利用と感謝の念。なによりも自然との調和を美意識の根底に据えているのがポイントでしょう。


 最近、「川の外科医」と呼ばれ、各地でご活躍の技術者が居られることを知りました。ある新聞社の記事で、その事業内容が長期連載されていました。新聞社の許可を得た上、折に触れてご紹介させてもらうつもりです。なんたって清流を損なえば、旨い米も酒もいただけなくなりますから・・。


 二晩におよぶ高知での酒宴は、環境問題を肴に盛り上がったものの、三軒目の酒場あたりからの記憶がありません。それでも、旅先での朝食はたっぷりとる。早々に高知龍馬空港から福岡へ向けていざ出立と乗り込んだのが、ボンバル・ジェット機。二十数年ぶりの小型機に怖気づいた。窓際の席へ着こうとする僕に席を立っていただいた紳士が頭上の荷物入れボックスとガツン。しこたま頭をぶつけてしまった。ゴメンなさい。おまけに閉所恐怖症のあることも自覚させられたうえ、「梅雨前線の影響で、機体の揺れが予想されます」とのアナウンス。


 どうにか福岡空港で、羽田から到着した小平カメラマンと合流できた。


sakeo_0701.jpg