「ふなぐち」200mlのアルミ缶はここから生まれる 〜 菊水酒造No.2

2008年12月16日火曜日 0:09

 いよいよ菊水酒造の酒蔵・大量仕込みの蔵へと踏み入った。初めて酒蔵巡りをする者なら、「こりゃあ、SF映画の宇宙ステーションなみじゃあないか」。なんて思うかもしれないね。


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 これは大手の酒蔵なら珍しい光景じゃあないけれど、もろみや酒母の醗酵を上手く調節するために攪拌する〝櫂入れ″の作業が機械化されており、巨大ステンレスのもろみ醗酵(仕込み)タンクそのものに、回転式攪拌装置が付いていた。


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 以前、初めてホーロー製のもろみタンクを見た時はその大きさに驚いたが、菊水酒造はそれを酒母タンクとしても使っている。通常、酒母1に対して仕込み14の割合というから、その最新鋭のステンレスタンクの巨大さはハンパじゃあない。今や、搾りたての生原酒「ふなぐち」200mlのアルミ缶も、こんなハイテク装置から生まれているんだね。そう言えば、吉祥寺で何店舗もの立ち飲み屋を経営するTさんの友人は、この「ふなぐち」を3年以上も押入れの隅で熟成させているらしい。ひそやかな古酒の楽しみってところかな。


 また、菊水日本酒文化研究所は、年代順古酒の貯蔵庫やライブラリーがあり、雪に閉ざされたって退屈する事はない。ガラス越しに飯豊連峰を望む雪原だって古酒の背景となる。


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 帰りは、新発田の海鮮居酒屋へ。日本海漁場が目の前とあらば、新鮮この上無しというところだ。にごり酒の「五郎八」か、吟醸酒「無冠帝」を合わせる贅が待っていた。「あーっ、堪んない」。


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ゴールデン街から新潟へ 〜 菊水酒造No.1

2008年12月12日金曜日 22:17

 半月ほど前に、新宿ゴールデン街の「ばるぼら屋」の二階で菊水酒造・アルミ缶酒(180ml)5種類の試飲会をやったばかりなのですがね。その時の主要メンバー、吉田、小平カメラマン、味香り戦略研究所の小柳さんの3人が、もう新潟県新発田の蔵元へ向け、朝10時12分発の上越新幹線〝Maxとき″に乗り合わせているから気が早い。それで「酒王」ブログも、スムースなYKKのファスナーみたいに滑り出したってわけです。


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それにしても12月は酒との付き合いが濃密この上ない。まず2日、浅草にて月例の俳句会と酒宴。4日、渋谷のセルリアンタワー2Fのジャズ・バーで過ごした後、4軒の酒場取材で朝を向える。6日、京都への吟行(句会)ながら、舞妓、芸妓さんの古典芸能お座敷酒宴付き。8日、9日がテレビの酒場ロケの後、何故か両日とも午前さま。そのほかは、毎夜4~5軒の酒場取材を目標の編集者との同行に当てているからたまりません。・・などとボヤいている間も無く、新幹線のトンネルを出れば雪国のはず。アレっ、越後湯沢に雪がない。それでも八海山は白いものの、周辺の車窓には冬ざれの荒涼感のみが迫ってくる。

やがて新潟平野の先に黒々と佐渡の島影が見えたら、もう新潟駅はすぐだった。小走りでJR白新線に乗り継ぎ、新発田へ到着。白鳥の群れる田んぼの向こうに菊水の酒造基地が姿を現した。


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