広島で『吉田類の志野焼・絵付け放浪記』

2019年6月3日月曜日 15:39

広島で『吉田類の志野焼・絵付け放浪記』
 個展「ほろ酔いの王国 吉田類展vol.2」(銀座三越6/56/11)では、陶芸家の有本空玄先生の成型した器に絵付けをした志野焼5種類(ワインカップ・片口・徳利・ぐい呑み・額皿)を出品します。今回も先生の窯にお邪魔して絵付けの作業をしました。いつもそうなんですけど「陶芸家の先生」と聞くと、どんだけ頑固で気難しい先生が出てくるんだろうとビクビクする類スタッフ。しかし今回もそれは杞憂でありました。
 
 有本先生はご出身の広島市に窯を持ち、ご自身も三越で個展をなさるなど精力的に制作活動をなさっています。平成30年の西日本豪雨災害では先生の窯に直接の被害は無かったとのことですが、お住まいの2階の窓から見える土砂崩れ直後の安佐南区の様子に愕然としたそうです。ボランティアに行った時のお話なども伺いました。訪問時、遠目にもその爪痕がわかるほどでした。
 
 今回挑戦する絵付けの志野焼とは、16世紀後半の安土桃山時代につくられ当時大変流行した焼き物です。乳白色の釉(うわぐすり)が特徴で織部、黄瀬戸、瀬戸黒、とともに美濃地域で焼かれました(これらを総称して美濃焼と言います)。国宝に志野茶碗「卯花墻」(うのはながき)などがあります。先生はもともとコンピューター関係のお仕事をしていらしたとのことで大変理論的にわかりやすく志野焼について解説してくれました。
 
3日間みっちり絵付け作業
 
酸化鉄を含んだ赤褐色の絵具で絵付けをします。
「普段使っている絵具とは違い、ぼってりした泥を付けているという感覚だった。」(本人談)
 
整然と並び絵付けを待つ素焼きをした状態の器類。
 
 

 ろくろにも挑戦。重さがあるので一回勢いをつけて回すとしばらくの間回転しています。飲み口を薄~くしていくのが難しいのよねえ(類スタッフも挑戦しました)。
 

類さんが手にしているのは志野焼の釉の原料の長石。陶芸の道では釉薬(ゆうやく)作りもその追及の一つだとか。
 
 類さんの絵付けした器に先生の手で釉をかけて焼成。独特の乳白色の釉をとおして、絵がどのように現れるのかは窯の神様のみぞ知る。焼き上がりは会場でお確かめください~!
 

(番外編)先生お勧めのお店の広島風お好み焼きに心奪われる
 
<ほろ酔いの王国vol.2 吉田類展>
会場:銀座三越 7階ギャラリー
会期:201965()611()
吉田類の在廊日 65日(水)・6日(木)・8日(土)・9日(日)・10日(月)・11日(火)
各日午後1時~4時 ※都合により変更する場合があります。ツイッターなどでお知らせいたします。
 

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