『吉田類のほろ宵通信・酒縁会』VOL12のご案内

2011年11月21日月曜日 13:40

吉田類が「まぐまぐ!」で提供している有料メルマガ『吉田類のほろ宵通信・酒縁会』VOL12のご紹介です。

INDEX

○類を探せ 東奔西走編
 酒場詩人として日本中を旅する吉田類。今日はいったいどこにいるのやら?
吉田類の近況をインタビュー形式でレポートします。

   山がスポンジ~水はお酒の命
   おやじの背中

○読者の皆様へ
 このメールマガジンを読んでい頂いている皆様にお知らせがあります。今号で「ほろ酔い通信 酒縁会」を終了することになりました。これまで半年の間、お付き合いいただき有難うございました。類さんが忙しくなり、マガジンに関わる「類スタッフ」が付いて行けなくなってしまったのです(笑)。おまけに「類ス タッフ」の一員は、酒場好きが高じて新宿に店を出してしまいました。マスター稼業が忙しくなってしまったのです。 読者の皆さんには今後僕のホームページ「吉田類の類工房」でお会いしましょう。

○俳句を続けたい皆様へ
 「ほろ酔い通信 酒縁会」を購読していただいた皆様の中 で、今後も俳句を続けたいまたは始めたいと言う方は下記までご連絡下さい。吉田類主宰の俳句会「舟」より、毎月の「季題」(俳句の題)をお送りいたしま す。お寄せいただいた句には類さんが目を通し、優秀な作品はホームページに掲載する予定です。

○酒縁話~浅草「安兵衛」
 「酒縁話」では、類さん行きつけの酒場についての紹介もしてゆきます。 類さんが通った店の数は、ご本人によれば「天文学的数字」。そのすべてを記すことはとてもできませんが、これまで酒場放浪記に登場したお店はその後の様子などをレポートし、また、いまだ番組には登場していない、類さんのお馴染みの酒場についてもメルマガ特典情報としてお伝えしてゆきます。

 浅草六区ブロードウェイと、国際通りにはさまれた六区花道通り。酒屋や定食屋が軒を並べ、浅草の繁華街の中では穴場的な路地の一角に、立ち飲み「安兵衛」があります。


 5坪ほどの店内に37インチの大画面液晶テレビが備えられているのは、競馬中継を流すため。近くにJRAの場外馬券売り場があり、レースが開催される土曜、日曜には、店は競馬ファンでおおいに賑わいます。店内に入りきれない客たちが、路上にあふれてビールやサワーを飲みつつテレビの映像にエキサイトしている様子はなかなかの迫力です。

 かつて、類さんがこの店へ贈った挨拶句

 立ち飲めば無頼の夏のよりどころ

 たしかに、多少アウトローめいたところが、この酒場の魅力といえるかもしれません。(この句と、類さん著『東京立飲み案内』のチラシが店内に掲示されていました。)


 馬券を買ってテレビ観戦を楽しむのも良し、また、競馬をしないひとも、ギャンブラーたちに混ざってしばし"無頼"の気分を味わってみるのも一興です。
 万馬券をとったお客さんが店に多額のご祝儀をはずむこともあるとか。店内の壁にはこれまでの大当たり馬券のコピーが貼られていました。


 ギャンブルに縁の深い酒場でありながら、殺伐とした雰囲気から免れているのは、おそらく店を賄う女性たちのおかげでしょう。いつもは女将と、その娘の姉 妹、加えてお手伝いさんの女性たちで店を切り盛りしています。彼女たちの品のよさに、ギャンブラーたちも紳士たらざるを得ない、というのが類さんの見方で した。

 お酒と肴の充実ぶりにも感心させられます。通常のビール、サワー類の他、「八海山」「館山」「三千盛」等の地酒や、「佐藤」「朝日」「宝山」等の本格焼酎も。肴も、定番の地鶏や焼きとんに加えて日替わりの手作りメニューが豊富にあり、この日は炙りかます焼き、厚揚げと青菜の煮浸し、牛筋煮込みなどが供されていました。
 もちろん、店は競馬開催日以外にも営業しています。朝から開いているので、できれば平日昼間にいってみるのがオススメ。競馬開催日とはまったく異質のゆったりとした時間が流れています。

 類さん主宰の「舟」俳句会会員である坂崎重盛さんは、著書『東京煮込み横丁評判記』の最終章でこの店について書いておられます。類さんと浅草を飲み歩きながらここに来たとのこと。坂崎さんも、初めて訪れた安兵衛の酒と肴の安さ、美味さに「感動した」と記しておられました。
 その際、類さんが来ていると聞いて来店したのが、やはり現在「舟」会員の有田芳生さん。坂崎さん、有田さんはこのときが初対面だったようです。

 超俗の文人・坂崎さんとジャーナリスト政治家・有田さん、そしてわれらが酒場詩人・類さん。個性あふれるお三方が浅草の路地裏で立ち飲んでいる様子は、な にやらシュールな俳味を覚えます。類さんを媒介に、まさに「酒縁」の結ばれた場でした(この時の三人の写真は、『煮込み横丁評判記』で見ることができま す)

 安兵衛で軽く立ち飲んでから路地を出て、ふと視線を上げれば、いよいよ竣工間近のスカイツリー。その威容にはやはり圧倒されます。
 おそらく、明治・大正時代の人々は同じような気持ちで浅草十二階・凌雲閣を見上げていたにちがいありません。かつて繁栄を極めたここ浅草六区の賑わいを想像しながら、ほろ酔い気分で時代の移り変わりを感じてみるのも面白いでしょう。

○立ち飲み案内~上野 たきおか~
 " 立ち飲みブーム" の火付け役・類さんの立ち飲み店ガイド。
都内の旨い店、こだわりの店、個性的な店をオールカラーで案内します。 さて、今宵はどこで一献傾けよう。

○ほろ酔い・俳句会「舟」
 BS‐TBSテレビ『吉田類の酒場放浪記』のラストシーン、酒場の感慨をさらりと詠んで夜の街へ消えて行くうしろ姿が、類ファンにはたまりません。
 俳句は、17文字・季語・口語・文語を用いる短詩の表現形式ととらえていますが、時に自由律もOKです。まして、俳句と川柳は、軒を連ねる二軒の飲食店みたいなもので、入り口が異なるものの奥の厨房でつながっている″というのが類さんの持論でもあります。
 まずは、「習うより慣れよ」の言葉どおり、ほろ酔いついでに一句ひねってみてはいかがでしょう……。

○YOSHIDA RUI ILLUSTRATIONS
 イラストレーターとしての顔を持つ吉田類。シュールアートの画家として活動し、パリを起点に何度も渡欧した実力の持ち主。そんな吉田類のイラストをご紹介していきます。今回は「酔っ払いエンジェル」です。