「吉田類のほろ宵通信・酒縁会」VOL11のご案内

2011年10月12日水曜日 10:37


吉田類が「まぐまぐ!」で提供している有料メルマガ『吉田類のほろ宵通信・酒縁会』VOL11のご紹介です。

INDEX

○類を探せ
 酒場詩人として日本中を旅する吉田類。今日はいったいどこにいるのやら?
吉田類の近況をインタビュー形式でレポートします。

   名付け親は土佐の詩人~オホーツクにて~
   青の世界そして…
   獅子たちの相承 (ししたちのそうしょう)

○類さんへの質問
 このコーナーでは毎回類さんが皆様の質問にお答えいたします。

○酒縁話~神保町「兵六」
「酒縁話」では、類さん行きつけの酒場についての紹介もしてゆきます。 類さんが通った店の数は、ご本人によれば「天文学的数字」。そのすべてを記すことはとてもできませんが、これまで酒場放浪記に登場したお店はその後の様子などをレポートし、また、いまだ番組には登場していない、類さんのお馴染みの酒場についてもメルマガ特典情報としてお伝えしてゆきます。

「兵六」は、本の町・神保町の中心地に店を構える老舗の酒場です。 (http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13018780/)
靖国通りから路地を少し入って、三省堂本店神保町入口の向かいの大きな提灯が目印になります。


 神保町交差点方面からこの店にいたる路地には、「さぼうる」「ラドリオ」「ミロンガ」といった旧い喫茶店が軒をならべ、昔ながらの神保町の雰囲気をもっとも色濃く残す一画といえるでしょう。

 今年4月まで、類さんの主宰する「舟」俳句会では神保町でも句会をおこなっており、その帰り、二次会としてここ兵六に立ち寄るのが定番コースでした。

 句会もお酒をいただきながら進めるのですが、やはり会の最中は俳句に意識が集中しています。ひとまず会を終えて場を移し、あらためて兵六で始める宴はメンバーにとって、とても寛げる愉しい時間でした。その日の句の出来を評しあったり、あるいは俳句とは離れて類さんのお話を伺ったり。8年近くにわたってほぼ毎月通い続けたここ兵六は、「舟」の神保町メンバーには忘れ難い店になっています。

 シンプルな縄のれんをくぐって店にはいると、まず目につくのは壁にぐるりと掲げられた色紙額の数々。

「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」との林芙美子の歌の他、吉屋信子、高村光太郎、坪井繁治など、名だたる作家の揮毫が並んでいます。



 かつて同じ路地に「らんぼう」という酒場(現「ミロンガ」)があり、その2階に主に詩を扱う出版社があったそうです。そこに出入りしていた作家や詩人が兵六にも来店して色紙を書いてくれたとのこと。本の町ならではのエピソードですね。
 それらの書に並んで掲げられているのが、当店の初代、故・平山一郎翁の肖像写真。
明治35年生まれ。薩摩士族の出身で、長年上海で暮らしておられたそうです。
酔客の中で端然と座る一枚は、まさにサムライの風貌です。



 現在のご主人は三代目の柴山真人さん。ずいぶんお若いころからお店を賄ってきたそうで、老舗を任されるのは荷の重いこともあったかもしれません。しかし既に十数年のキャリアを重ね、温和なお人柄の一方で、ピンと背筋を伸ばしたそのたたずまいが初代に似てきたようにも思えます。



 酒は焼酎が中心。人気の高いのは芋焼酎の薩摩無双です。お湯割りにする際には猪口にまずお湯を先に、あとから焼酎をいれると香りたかく飲めます。



 肴は、きびなご・酒盗・青唐豆腐など、いかにも左党の好みそうな品が揃います。また、薩摩揚げのように初代の出身地・鹿児島風のもの、あるいは長く暮らしていたという上海料理の影響で、中華風のやきそばや餃子など、メニューにも兵六の歴史が垣間見えます。



 この店には、初代の平山翁が定めた「兵六憲法」が残されています。酒場経営の基本理念集のようなもので、たとえば

  一、   居酒屋兵六においては店の女がお客にお酌する事を厳禁す
  一、   宣伝広告は必要止むを得ざるもの以外厳に慎む様心掛ける事


 などなど。
 特筆すべきは、最後の一項

  一、   居酒屋兵六は半分は店主のものであるが、半分は社会のものと心得置く事


 酒場がオフィシャルな場であることを、店主の立場から明言していることが印象に残ります。薩摩武士の"公"の精神、といえるかもしれません。
 現在でも兵六では、きわめて和やかな雰囲気の中にも、どこか凛とした節度が保たれています。創業の精神がたしかに受け継がれている証しといえるでしょう。

 さて、最後に兵六についての最新情報をひとつ。

 兵六は、冷暖房がない酒場として知られていました。夏は猛暑の中でも扇子や団扇をつかってわずかに涼を入れるばかり。それも風情のひとつではあったのですが……。
これも初代のいいつけで、「何とかして神田の下町の一軒の居酒屋に大正時代の雰囲気を残したい念願(『兵六憲法閑話』)」からとのことでした。
ところが、ほんの数日前、ついに店内にエアコンが入りました。これは常連にとっても画期的事件。とうとう初代の方針を変更か……とも思えたのですが、しかし店の内装には一切変わりは無く、店の雰囲気が壊されてしまうことはまったくありません。

 初代の遺訓に背くことも無く、これで年間を通じて兵六での時間をますます快適に過ごすことができるようになります。常連客にとってはおおきな朗報ですね。

○立ち飲み案内~浅草橋 bevi~
 "立ち飲みブーム" の火付け役・類さんの立ち飲み店ガイド。
都内の旨い店、こだわりの店、個性的な店をオールカラーで案内します。 さて、今宵はどこで一献傾けよう。
購入先 ⇒ http://www.amazon.co.jp/dp/4944124333/

○ほろ酔い・俳句会「舟」
 BS‐TBSテレビ『吉田類の酒場放浪記』のラストシーン、酒場の感慨をさらりと詠んで夜の街へ消えて行くうしろ姿が、類ファンにはたまりません。

 俳句は、17文字・季語・口語・文語を用いる短詩の表現形式ととらえていますが、時に自由律もOKです。まして、俳句と川柳は、軒を連ねる二軒の飲食店みたいなもので、入り口が異なるものの奥の厨房でつながっている″というのが類さんの持論でもあります。まずは、「習うより慣れよ」の言葉どおり、ほろ酔いついでに一句ひねってみてはいかがでしょう……。

 優秀作には、菊水酒造日本酒缶を、佳作には夢音ハガキをお贈り致します。

[募集要項]
 ○送り先: ruihoroyoi@gmail.com
 ○お名前(俳号・ニックネームも可)
 ○ひとり二句まで
 ○難読語、特殊な読み方には必ずふりがなをつけて下さい。
 ○作品は未発表のものに限ります。


○類のおまけ動画
 普段テレビではなかなか見られない、吉田類の日常を動画でご紹介!

     嬉しくないわけがない

○YOSHIDA RUI ILLUSTRATIONS
 イラストレーターとしての顔を持つ吉田類。シュールアートの画家として活動し、パリを起点に何度も渡欧した実力の持ち主。そんな吉田類のイラストをご紹介していきます。今回は「酔っ払いエンジェル」です。

・ID   0001286094
・価格   840円/月(税込)
・形式   PC・携帯向け/HTML形式
・発行周期 毎月第2月曜日・第4月曜日

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