石川啄木のふるさと「渋民放浪記」
盛岡市の姫神ホールで開催された「2023啄木祭」に参加しました。盛岡の人々の石川啄木愛溢れるお祭りです。
啄木の短い生涯の中の様々なエピソードは、迷う事大き青年らしくもあり、現代に生きるわれわれに啄木の歌をより身近に引き寄せてくれます。啄木の足跡を訪ね「渋民放浪記」を少し。
やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに
第一号啄木歌碑の建つ渋民公園を訪ねました。石川啄木記念館の館長を務めていらっしゃる森義真さんから解説を受けながら、歌碑をしみじみと眺めます。遠くには堂々とした風情の岩手山がそびえています。
※石川啄木記念館は現在休館中です。玉山歴史民俗資料館との複合施設として令和6年度に開館予定です。
時としてあらん限りの声を出し唱歌をうたふ子をほめてみる
旧渋民尋常小学校は啄木が学び、また代用教員として勤めた学校です。明治期の学校校舎の面影を残しており、盛岡市の文化財に指定されています。
「授業が始まりますよ~」戯れに鐘を鳴らす酒場詩人。ブロンズ像では啄木が教え子に優しく話しかけています。26歳で亡くなっていますから、我々の知る啄木の面差しはすべて若いまま。わずかに幼さも残っていますよね。
ふるさとの寺の畔のひばの木のいただきに来て啼きし閑古鳥!
啄木が1歳のときから住んだ宝徳寺には書斎が残っており、文机を置いていたという部屋の隅に吉田類も正座でたたずんでみました。
「閑古鳥!」の感嘆符の表記は、石碑に刻まれていた表現に倣いました。
姫神ホールでのトークショー「吉田類の啄木さんぽ道」にむけて、記念館の森館長と学芸員の藤田さんと、啄木の歌を確認しながら打ち合わせをしました。差し入れの「啄木ブレンド」と名付けられたコーヒーは、古書を紐解くに相応しい深い味わいでありました。渋民公園の「喫茶緑青」さんでいただけますよ。
潮かをる北の浜辺の砂山のかの浜薔薇よ今年も咲けるや
しらしらと氷かがやき千鳥なく釧路の海の冬の月かな
啄木の歌の合唱を披露した「コールすずらん」の皆様たちと。
皆様にまた会える日まで。
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