毎月札幌で開催される、北海道の句会「北舟」の様子を少しご紹介します。
鈍色(にびいろ)の海に低く垂れ込んだ雲。冬の港町のワンショットは少しうら寂しい雰囲気ですね…。句会のついでに小樽へ足を延ばしました。
いたるところに「頭上注意」の看板が設置され、観光客への注意喚起をしていました。建物の軒先で氷柱がじわじわと成長を続けています。地元の人は絶対に近寄りません。
いまや札幌の観光名所。ヨーロッパ風の雰囲気作りが上手く出来ていますね。北海道土産として超有名なお菓子の工場「白い恋人パーク」は、イギリスの古い建築様式を踏襲しているとのこと。
「北舟」は出席者が毎回50人近い大所帯。札幌はもちろん、道内各地から集まります。ダイナミックな自然に囲まれている土地ならではの、季語の捕らえ方が新鮮。当然の如く(?)会場にはお酒が用意され、猟師の免許を持つメンバーからは鹿肉の差し入れもありました。句会は乾杯から始まります(未成年はもちろんノンアルコール)。
この日トップをとった句は「露凝(つゆこ)りししばれる窓に花が咲く」(優樹)。「露凝り」とは、露が凍って出来る氷の粒のこと。凍露(とうろ)とも言い「こんなことあるある~」と多くの声が出ていたのが北海道らしいところ。
次点「息凍(し)ばれ五臓六腑のふるへたる」(吏紀)は、訪問者として北海道に降り立った者でも共感を覚える作品。早く熱燗で暖めなきゃ…と思わせますね。
(TKPガーデンシティ札幌きょうさいサロンにて)
句会後は札幌の街へ繰り出し、狸小路七丁目のワインバー『WINE厨房 月光』へ。照明を押さえた店内は、シャンデリアと赤いビロードのカーテンが印象的。濃密な空気に包まれてワインも会話も進みます…。
吹き抜けのロフトは薄暗く、ヨーロッパの屋根裏部屋を思わせる雰囲気。秘密めいた空間で俄かに「北舟女子会」が開かれた模様です。
0 件のコメント:
コメントを投稿