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2012年2月29日水曜日

「舟」俳句会便り(2012年2月度)





 類さん主宰の「舟」俳句会は、2月からあらたに千代田区神保町冨山房ビルの地階『FOLIO』に会場を移して行われました。
 これまで、浅草、神楽坂と何箇所か会場を移動してきましたが、ここ神保町はもともと「舟」発足直後から足かけ8年間にわたって定例会場のあった町。「舟」にとって原点回帰ともいえそうです。

 今回、類さんは北海道や新潟の地酒をお土産に持ってきてくださいました。
 「男山」「太洋盛」といった銘酒をいただきつつ、会員一同いつにも増して和やかな(…というより賑やかな?)雰囲気の中での句会となりました。

 今月の兼題は「寒明け」。暦のうえで、大寒がおわり立春となることです。
 優秀作に選ばれた句を紹介します。


 ◆ 封筒の内のむらさき寒の明け     心

 類さんはじめ5名の方から【天】(今月の最高作品)に選ばれました。
 封筒の内紙の紫。外側の白との対比が鮮やかで、作者の色に対する観察力が伺われます。そして"寒明け”のテーマに、この色彩をとりあわせた感性が絶妙、との類さん評でした。


 ◆ 国芳の武者の眼(まなこ)や寒明くる    桂女 

 先ごろ六本木で行われた歌川国芳生展を詠んだ句です。斬新な構図で描かれたカラフルな武者画。その「眼」にフォーカスを絞って句にしている点が秀逸です。


 ◆ ひとさじの立春そろりと口苦く    佐々木美和

 作者の佐々木さんは珈琲に関するお仕事をされており、専門の鑑定資格を取るための勉強中です。なにげない一杯の"口苦さ”も、常人よりはるかに深く細やかに、春の予兆として味わいわけているのかもしれません。                     

 今回も力作ぞろいで、みなさん選句にはかなり迷っていたようです。なお、今回は数人の新入会員の方がいらっしゃいました。女性コメディアンなどユニークな新メンバーを迎えて、「舟」俳句会はこれから益々愉しくなってゆきそうです。


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